営業は数ある仕事の中でも、従事者が多い職種です。
労働政策研究・研修機構によると2022年時点で、就業者数計6,723万人のうち、826万人(12.3%/全体4位)が就業しています。
早わかり グラフでみる労働の今 職業別就業者数
多くの従事者がいる一方で、営業の労働環境はピンキリです。
研修制度が整っている会社もあれば、教えてもらえる環境になく自分でなんとかしなければいけない状況の人もいるでしょう。
僕も飛び込み営業、電話営業、商談、クレーム対応、アップセル対応と10年以上の営業活動で多くの経験をしてきました。
駆け出しのころはノルマの未達成が6ヶ月以上続きつらかったことも。
そんな僕が声を大にして伝えたいのは
営業は成果がでれば面白くなる
成果がでずとも、自分の工夫次第でいくらでも面白くできる
これがこの記事で一番伝えたいことです。
「なんとなく営業職についたけど、辛さしかない」
「毎月のノルマが苦しい」
「自社商品に興味や自信がなく、売りたくない」
「毎月同じような業務の繰り返しで、つまらない」
「あっという間に休日が過ぎ、月曜が憂鬱」
このような人もいらっしゃるのではないでしょうか?
僕自身、10年以上営業職を経験する中でこのように思うこともたくさんありました。
売れない、売りたくない苦しみ、会社やクライアントからのプレッシャー、板挟みになるしんどさ
営業職に限った話ではありませんが、仕事をしていくと様々な理不尽な目にもあいます。
- いま営業をしているけど、退職を考えている
- れから営業職を考えているけど、自分にできるか不安
いま営業をしている人も、これからする人も
営業職の仕事の中身を分解し、楽しくなるコツを一緒に探っていきましょう。
営業の仕事は本当につまらないのか?
まずは営業がつまらないのかどうかを判断するために、
営業職の人が仕事に抱いている印象をリサーチしてみました。
営業の離職検討層は、59%
日本労働調査組合の統計データによると、営業職で離職を検討している人は58.9%です。
引用:【日労公式】「営業辞めたい」6割弱という結果に。営業職500名へのアンケート調査
一方、厚生労働省の調査では、2022年の平均離職率は15%と公表されています。
引用:-令和4年雇用動向調査結果の概況-
営業職の正確な離職率を示した統計データはありませんでしたが、
離職検討層の半分が実際に離職したとしても24%になるため、
営業職の離職傾向は高いと言えそうですね。
ただ、一方で営業職の半分以上の人は実際には転職or離職をしていないとも捉えることもできます。
統計から見る「辞めたくなった理由」
次に、離職検討理由を定性的に深掘ってみましょう。
引用:営業職の「退職」に関する調査 「現在退職を検討している」は約6割/日本労働調査組合調査
上位に来るのは給料、働く時間など労働条件に関するものでした。
プレッシャーがあり、労働時間が長いにも関わらず、見合った給料をもらえていると感じている人が少ないようですね^^;
離職する人の特徴
ここまでをまとめると以下のようになります。
- 営業職の離職検討層は59%
- 全業種含めた全体の離職率は15%
- 営業をやめたくなる理由上位は「給料が安い」「労働時間が長い」「モチベーション維持ができない」
実際につまらないと感じるかどうかは本人次第です。
とは言え、実際に営業職をしている人は労働条件が理由で転職を考えている人が多い傾向がありました。
営業がつまらないと感じる「本当の理由」
ここまでは統計データを中心に紹介をしてきました。
ここからは、僕自身が感じるところを書いていきます。
僕も営業歴は10年以上あり、良いこと、つらいことの両側面をたくさん経験しました。
結論から言うと、営業は自分自身の工夫でいくらでも面白く創造性あふれる仕事に変えることができます。
営業がつまらないのは、成果をあげられていないから
営業は、成果をだせれば楽しい仕事に変わります。
僕も25歳で初めて営業職にチャレンジした当初は、まったく成約が取れず憂鬱な日々を送りました。
成果がでていないと土日も休んだ気にならないんですよね^^;
週末も仕事のことをずっと考えて過ごしていたのを覚えています。
営業は、良くも悪くも成果が見えやすい仕事です。
今月の売上や達成状況が常に数字で可視化され、社内で共有されます。
自分が明らかに数字を積めていない状況は、居心地が良いとは言えません。
それだけならまだしも、上司や周りからのプレッシャーもあります。
「達成するために今週は何をやるの?」
「決定率が低いから商談数増やしてね」
「アポが取れるまで会社に帰ってこなくていいよ」
今はこうしたわかりやすいプレッシャーをかける会社は少ないかもしれません。
(ちなみに僕が最初に勤めた会社では普通にありましたw)
ただ自分でも貢献していないと自覚しているので、
何も言われなくとも感じる「無言のプレッシャー」は大きなストレスになります。
しかし、成果をあげればその分評価もされやすいのも営業です。
もし自分が、達成率で社内のトップに立っていたら?
毎月のランキングで自分の名前が一番上に載っているとしたら?
少しはわくわくできないでしょうか?
数字を作ることができれば、辞める理由のトップだった「給料の安さ」も解決しやすくなります。
成果を出せていれば、給与交渉の材料にしやすいからです。
でも、「その成果をあげるのが難しいんだよ」と思う人のために伝えたいのが、
次の項目です。
売れない限り、営業は楽しくならないのか?
成果を上げれば確かに営業は楽しくなります。
少なくとも僕はそうでした!
しかし一方で、成果をだすのは大変です。
自分がどんなに頑張っても、
競合の営業マンが自分より良い提案をしたら受注できないですし
商材が競合と比べて明らかに劣っていたり、高単価であれば苦戦するでしょう。
成果を上げるには外的要因も大きく、
モチベーションを「成果だけ」におくとどうしても浮き沈みが激しくなります。
ではどうすればいいのか?
答えは簡単で、「成果以外」にやりがいを見出すことです。
一つ、面白いデータを紹介しましょう。
引用: 約7割が最近退職を検討したと回答「営業職の勤務意識に関するアンケート」結果発表
1位は達成感ですが、同様に高いメリットを感じているのが「相手に喜んでもらえる」です。
いろいろな人と関われる、頑張り次第で相手に喜んでもらえる。
ダイレクトでクライアントと接している分、相手の反応を直に感じられるのも、営業の特徴です。
自分のした仕事に感謝をもらえたら、それは明確な成果以外でのやりがいにならないでしょうか?
根本的な原因は、受け身で仕事をしているその姿勢にある
営業は楽な仕事ではありません。
- 毎月、日々課されるノルマのプレッシャー
- 理不尽なクレームを言われる
- 頑張っているのに成果が上がらない
- クライアントと会社の板挟みで精神をすり減らせる
- 成果を上げているのに事務やバックオフィスの人から細かいことを注文される
つらいことをあげれば、きりがないですねw
僕も個人的な考えだけを言えば、営業、というより仕事は基本的につまらないものだと思っています。
なぜなら仕事は相手のためにするものだから。
自分の好きなことだけして、相手に喜んでもらえて、お金にもなればそれは素晴らしいけど、
現実は中々そうはいきません。
でもだからと言って、何もしなければ現状のままです。
待っていても何も変わらないのであれば、自分から状況を変えにいきましょう。
ちょっと工夫すれば、成果を上げる以外にも貢献できることはたくさんあります。
こうした取り組みが、周りのためになって感謝されたら、やっぱり嬉しいですよね^^
すぐに成果をあげられないなら、少しずつ少しずつ、今できることを取り組んでいくのです。
自信がない、面倒くさい、やっても無駄になるかもしれない
いろいろと思うこともあるでしょう。
でも大丈夫。
少なくとも、これをここまで読んだあなたなら。
営業の仕事は、取り組み姿勢を変えれば面白くできます。
でももっと簡単な解消法はないのか?
という方のために、即効性のある方法を次の章でお伝えします。
明日からでも楽しくなる、営業の取り組み方
これまでは仕事の取り組み姿勢について伝えましたが、
ここからはもっと簡単で手っ取り早く営業を楽しくする方法をお伝えします^^
自分の評価軸を持つ
会社のノルマが達成できればそれに越したことはありませんが、
いきなりは難しいという場合に意識したいのはまずはこれ!
というより、仮にノルマを達成できていたとしても、自分の評価軸は常に持つべきだと思っています。
会社や他人の評価は、自分では決められません。
でもそんなときも、自分が自分を評価できていたら、心も折れにくくなります。
わかりやすいのは、成果目標ではなく行動目標を自分で作ること。
- アポイント達成目標のために、一日50件電話営業する
- リストを100件作る
- 週に1回、ロープレを実践する
- 提案書の雛形を自分で作ってみる
- クライアントからの問い合わせにはすべて必ずその日に返す
など、売上がノルマであれば、その達成のためにクリアしなければいけない手前の目標を設定するのがおすすめです。
仮に達成できなくても、ここまではできたな、と自分自身で振り返りができるようになります。
何ができて、何ができていないのかを明確にして改善を繰り返せば、ノルマの達成も見えてくるでしょう。
アイテムにこだわりを持つ
アイテムを揃えることも、良いモチベーションを与えてくれます。
何も何十万もするスーツを買えとか、高級時計を身に着けろとか、そこまでする必要はありません。
仕事で使うボールペン一つとっても、使いやすいお気に入りを探しに文房具屋を巡ったり、
かっこいいと思うノートを試してみたり、
自分が良いと思うアイテムを揃えるだけでも気持ちはわくわくします。
僕自身も、毎週出張に行っていた時期がありました。
その時は出張用にお気に入りのワックスを買ったり、スーツケースにこだわってみたり、
自分なりの出張グッズを揃えることで楽しく営業ができていましたね^^
どんなアイテムを揃えればいいかわからない、
アイデアもわかないという人は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください!
他人からモチベーションをもらう
漠然と悩みを抱えていてどうしようもないなら、周りの人もうまく使いましょう。
気の合う同期がいれば飲みにいくのもいいでしょうし、社外で人と会うのも良い気分転換になります。
ただ、必ずしも人と会う必要はありません。
僕も人との交流が苦手なので、よく本を読んでいました。
自分の悩みがダイレクトに解決できそうな本があればそれを読みますし、
全然関係ない、面白そうだなと思った本を読むこともあります。
本の良いところは、読んでいる間は俯瞰的になれること。
つらいとき、悩みを抱えているとどうしても視野がせまくなりがちです。
考えてもどうしようもないことを永遠と頭の中でループして、休みの日もブルーな気持ちで過ごす。
よく考えたら、こんなもったいないことないですよね!
本を読んでいる間は他人の視点になるので、自然と視野が広がり自分の悩みがどうでもよくなってきますw
自己啓発系の本は前向きな言葉が多いので、読んでいるだけで気持ちも上がりやすくおすすめです。
個人的に悩んだときに読みたいおすすめ本を紹介しておきます!
おすすめ本1「道は開ける」
1つ目は、自己啓発系の王道「道は開ける」です。
読んだことがなくとも、聞いたことはある人は多いのではないでしょうか?
よくある自己啓発系本は、作者個人のノウハウや経験談のみが書かれています。
あくまでその人個人ができたことであって、自分には当てはまらないことも多いんですよねw
その点、道は開けるは、話し方講座の講師だった著者が、何人もの生徒へのインタビューや研究を15年重ねて執筆されています。
「悩みに対する対処法」をテーマに、何人ものエピソードが紹介されるため、
自分と同じ悩みを持った人のエピソードやその克服方法も見つかるかもしれません。
僕もつらいときや悩んだときはいつでも読みかせるよう、手元においています。
おすすめ本2 「私は魔境に生きた」
次におすすめするのは「私は魔境に生きた」です。
あらすじは第二次世界大戦終戦を知らされず、ニューギニアで原始生活を10年送った日本軍兵士の物語。
右も左も言葉もわからない異国の地。
敵軍に見つかれば発泡され、密林の中ではマラリアや疫病などのリスクが常に伴います。
17人いたチームも一人、また一人亡くなっていく。
そんな環境で生き抜いたエピソードを読むと、シンプルに心が熱くなりますねw
もう、今の日本だったら何しても生きていけると思える一冊です。
本を読むのが苦手な人は、動画を見るなり、気晴らしに運動するなり、
カフェでぼーっとするなり、自分なりの過ごし方をみつけてみてください!
それでも営業が楽しくならないなら
- 自分なりに工夫した
- 今の環境でできる限りのことをした
それでも今の仕事が嫌なのであれば、環境を変えることも検討しましょう。
その際、環境を変えても結局同じだった、ということのないように、現状を整理しておくのがおすすめです。
営業が嫌なのか、他に原因があるのかを整理する
まずは、現状の何が嫌なのかを整理しましょう。
僕はいつももやもやしたときは、紙に書いて整理しています。
書くことで、脳が刺激されるので頭がスッキリします。
ただ退職を検討する理由に上がった「給料の安さ」「労働時間の長さ」は
自分次第でどうにかできる可能性もあります。
給料の安さは自分が成果を上げれば交渉しやすくなりますし、
労働時間も成果を上げていく過程で、無駄な業務の見極めができるようになるでしょう。
会社や環境が原因なら転職を検討する
- 自分が成果を上げたのに、目標が理不尽で評価されない
- 人手不足でどうしても業務量をコントロールできない
そんなときは、思い切って環境を変えましょう!
転職や独立はリスクがありますが、転職活動自体にリスクはありません。
営業職での転職を考えているなら、
まずは自分の希望条件での求人があるのか相談してみるといいでしょう。
参考になるエージェントをいくつか紹介しておきます。
営業職に特化!hape Agent
デジタルセールス特化型転職エージェント「マーキャリ」
若手ハイエンドの転職エージェント
個人的には、人と話をする中で自分が本当に何を望んでいるのかが整理されるので、
一度エージェントに相談するのがおすすめです。
僕自身も、エージェント経由で転職成功した経験があります。
エージェントは、担当者との相性もあるのでできれば複数の会社に申し込んでみましょう。
相性が合わないと思えば、その後の連絡は無視してしまって全然大丈夫です^^
その中で、職務経歴書などをブラッシュアップしていき、転職成功率を高めていってください。
まとめ・メッセージ:営業は工夫次第で面白くできる
今回は、営業がつまらない、面白くないと感じたときの原因と対処法を、
僕なりの視点で解説しました!
営業は、自分の工夫次第でいくらでも面白くできる、創造性のある仕事です。
同じ商材を、まったく異なる相手に売り続けるのは、誰にでもできることではありません。
でもそれができるからこそ、営業としての介在余地があります。
成果をだせる営業マンになったとき、
少なくとも「給料が安い」という悩みは消えているはずです。
僕自身も、もっと成長して稼いでいきます!
またそのときは、ナレッジとして共有し共に成長していけたらと思います。
大変なことも多い営業ですが、頑張りましょう!
それでは!
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