営業職に興味はあるけど、なんだか大変そう。
それなら代理店営業ならどうだろう?
営業職だと思って代理店営業職に就いたけど、イメージと違った。
このように思ったことはないでしょうか?
代理店営業(パートナーセールス)は通常の営業と異なり少し特殊です。
よく理解していないまま就職、転職すると「思っていた内容と違った」ということにもなりかねません。
自分にあっていない仕事をするのは、本当にきついですよね^^;
僕も営業経験は10年以上あり、代理店向けの営業経験もあります。
つらさや代理店営業ならではの得られるものも理解しています。
この記事では、代理店営業の特徴からつらさ、
得られるスキルやキャリアパスまですべて紹介しています。
就職、転職する前に、ぜひこの記事で一緒に代理店営業への理解を深めていきましょう!
代理店営業とは?
まずは、そもそも代理店営業とはどんな仕事をしているのかを紹介します。
広くイメージされる個人、法人営業とは、何が違うのでしょうか?
代理店営業の仕事内容
代理店営業は、自社商品を「代わりに」販売してくれる会社を開拓したりフォローする仕事です。
従来の営業は、営業マンが自ら自社商品を直接クライアントに提案、販売を行います。
代理店は、商品を開発せずとも営業をするだけで売上を立たせられますし、
メーカーも代理店が増えれば自社で営業せずとも売上が増えるため、双方にメリットがあります。
一般的な個人・法人営業
- メーカー → 消費者 へ直接営業する
代理店営業
- 複数のメーカー → 代理店 → 消費者 とメーカーから直接ではなく代理店が営業する
代理店営業が多い業界
代理店営業はなんとなくわかったけど、まだピンと来ないですよね?^^;
理解しやすくするためには、代理店営業が多い業界を知るのが一番です。
ここでは、代理店営業の中でも代表的な3つの業界を紹介します。
保険業界
保険代理店は、保険会社から委託を受け、保険販売の代理とアフターフォローを請け負っています。
イメージしやすい会社でいうと「ほけんの窓口」は見たことがある人もいるのではないでしょうか?
引用:ほけんの窓口
全国で700店舗以上展開しており、
よく駅チカやショッピングモールに出店していますよね。
40社300以上の保険を取り扱っており、保険の見直し相談にものってくれる代表的な代理店です。
代理店営業は、ほけんの窓口などの代理店の売上向上のために営業コンサルティングや勉強会の実施など様々なサポートを行います。
スマホ業界
携帯キャリアの販売も、代表的な代理店業種の一つと言えます。
最近はネットで購入できるので減りましたが、ソフトバンクやau、ドコモのキャリアショップを利用したことがある方も多いのではないでしょうか?
実はそのすべての店舗が携帯キャリアの会社が直接運営しているわけではありません。
全国携帯電話販売代理店協会によるとその98%が、代理店が運営しているフランチャイズの店舗になります。
代理店営業の役割は、店舗の来店数を増やすため、イベントの企画やショップ店員と直接面談などを行うこともあるようです。
IT業界
IT業界の商材は幅広く、通信回線からソフトウェアなど無形商材を扱います。
通信回線の代理店で売上高がトップなのは「光通信」です。
代理店営業の仕事としては、新規顧客開拓から販売フォローまで会社によって様々あります。
会社によって業務内容が大きく変わるため、自分が興味のある業界、商材、業務内容を明確にして選ぶといいでしょう。
広告業界
僕が在籍しているのがまさにこの業界です。
広告も商材としては広く取り扱いがあります。
ネット広告やテレビや雑誌のマス媒体、印刷物の制作と様々です。
マス広告であれば電通や博報堂、ネット広告であればサイバーエージェントが有名ですよね。
僕は主にマス広告しか扱っていない代理店が、新たにネット広告を販売するためのサポート業務を主に行っていました。
一般的な個人、法人営業との違い
代理店営業は一般的な個人営業、法人営業とは別物です。
一般的な営業は、個人で裁量を持って進められますが、
代理店営業はよりチームとしての側面が強くなります。
- 直接顧客へ提案する機会がない(あっても商談同行程度)
- 代理店へのサポートや販売促進が主なミッション
- 代理店への勉強会やセミナーなど大勢の前で登壇することもある
は、代理店ならではと言えるでしょう。
業界によっては独自のルールや特徴もあるので、
興味があればぜひ自分でも調べてみてください!
代理店営業がつらいポイント3選
ここまで聞くと、代理店営業は直接クライアントに提案せず、代理店のフォロー業務がメインになるため「楽な仕事」と思われる人もいるかもしれません。
もちろん、直接提案することの辛さはありませんが、当然別の辛さがあります^^;
実際に僕も経験しましたが、代理店営業でつらかったポイントを紹介します。
成果は代理店次第
代理店営業は、自社商品を代理店に営業をしてもらい、その受注数が成果となります。
ノルマも当然あり、代理店が受注できなければ達成にはなりません。
「自分が直接提案できたらいいのに」と思うことも何度もありました^^;
リテラシーが低い、提案力がなく受注にならないケースだけではありません。
代理店は自社以外の商品も取り扱うケースも多く、そもそも自社商品を提案してくれないことも。
自社商品も優先的に提案してもらえるよう、日々あの手この手でフォローする必要があります。
顧客に直接提案できない
顧客に直接提案ができていれば、反応もダイレクトに聞けて、修正も対策もすべて自分主導で行えます。
しかし、代理店営業はすべて代理店を通じてしか提案ができません。
そのため、実際にどのような提案をしているのか、何がネックで受注に至っていないのかを代理店にヒアリングしながら探る必要があります。
提案力のある営業マンにとっては「自分でやったほうが早い」ともどかしさを感じることもあるでしょう。
接待・交流会・勉強会など業務時間外の対応もある
代理店営業は、代理店に自社商品を販売してもらうのが仕事です。
ただその代理店が、複数商材を扱っているケースもあります。
保険であれば、一つの保険会社からだけではなく複数取り扱っていたほうが、
商材も多く提案もしやすくなりますからね。
自社と同じような商材を複数取り扱っているので、
その中でも自社商材を優先的に提案してもらうためのアクションが必要です。
それが接待や、勉強会などの個別サポートになります。
僕の会社でも、社長やマネージャーはよく接待に行っていました。
僕自身は接待には行きませんでしたが、勉強会やセミナーは何度も登壇しましたね^^;
このように、代理店に自社商材を優先的に販売してもらうための個別サポートも重要な仕事になります。
つらいだけではない!代理店営業で得られるスキル
代理店営業では、一般的な営業とは業務内容が異なる一方、得られるものも多くあります。
その中でも、僕自身が感じた独自に得られるスキルを紹介します。
マネジメントスキル
代理店で得られる代表的なスキルの一つは「マネジメントスキル」です。
「マネジメント」とは、企業が、組織の成果を上げるために経営資源(ヒト・モノ・カネ)を効率的に活用し、リスク管理のもとに、「目標」や「ミッション」の達成を目指すことである。
引用:HRプロ
簡単に言うと、目標達成のために業務遂行を指揮、統制できる=マネジメントスキルです。
代理店営業では直接営業しない分、いかに代理店に「売ってもらうか」が問われます。
それは、部下のいる上司と役割としては同じです。
- 売れずにつまずいているポイントはなにか
- 目標に対して進捗は進んでいるか
- 進んでいなければどう挽回するのか
日々こんなことを考え試行錯誤しています。
そして、売らせるのが得意な人は仕組み化が上手です。
提案しやすい資料を作ったり
うまくいっている代理店の事例を共有したり
一つの作業の価値を2にも3にもできるのが代理店営業の面白さでもあります。
もちろん大変なことも多いですが^^;
マネジメントスキルが磨かれるのは特徴の一つと言っていいでしょう。
売るための仕組みづくりの経験
営業経験者なら分かる人も多いと思いますが、
自分一人でこなせる仕事量には限界があります。
代理店営業も同じで、自分が担当できる代理店の数には限りがあります。
無限にサポートはできないので。
そこから更に高い成果をだしていく場合、
いかに少ない作業で大きな成果を創出できるかが求められます。
つまり代理店営業で成果を出せる=組織単位でも売上を上げられることの証明になります。
それができる人材には多くの会社からオファーがありますし、
年収が高い仕事にも就きやすくなるでしょう。
ディレクションスキル
ディレクションスキルとは
ビジネスシーンで使われるディレクションとは、指示や進行管理の意味で使われています。
映画や広告など、複数の人が関わって遂行するプロジェクトで、全体に指示を出しながら制作物を完成に導く業務を指します。
引用:Indeed
また、マネジメントスキルと混同されがちですが、意味は微妙に異なります。
マネジメントは、「経営などの管理」「管理者」の意味で使われる言葉です。つまり、マネジメントは会社の経営全盤に関わり、経営目線で数値や部下の行動を管理します。
ディレクションは、会社の特定のプロジェクトのゴールを目指すために、現場監督の立場で進捗管理をするため、責任の範囲が異なります。ディレクターは、自らも実務に関わるため「プレイングマネージャー」とも呼ばれます。
引用:Indeed
つまり、マネジメントスキルとは「数値目標達成のためにチームを育成、まとめる社内向けスキル」
ディレクションスキルは「プロジェクトの全体進行管理など社外含めた折衝スキル」
と捉えればOKです。
僕の仕事ではまさに広告の案件単位で社内チームが組まれるので、
顧客との折衝や全体の進行管理、社内への指示出しなどディレクションスキルも求められます。
仕事は一人では完結しないため、社内向け、社外向け双方のスキルが磨かれることは、
市場価値を高める上でも魅力的な仕事と言えるのではないでしょうか?
代理店営業に向いている人
ここでは、代理店営業に向いている人の特徴を書いていきます。
ちなみにここに書く向いている人、はあくまで僕が働いてきた中でそういう人が多かった、
というだけの話です。
当てはまらない=向いていない、ということではないのであくまで参考程度としてください!
人が好きであること
まずは第一にこれ!
代理店営業に限らず、営業という職種に多いパターンです。
特に代理店営業は、売って終わりではなく売り続けてもらえるようサポートするのがメイン。
面倒見が良い人が向いています。
一般的な営業は自分が売れればそれで良いのですが、
まったくの他人に売ってもらうって、中々大変です^^;
接待や出張、このご時世でも訪問しまくる上司を見ていて、
「本当に人が好きなんだな」とよく思います。
ただ、人が好きでないからと言って代理店営業ができないかと言われたらそれは違います。
僕もどちらかと言えば「人が苦手」なタイプなので^^;
他のスキルでカバーできれば、代理店営業は十分務まる仕事です。
サポート業務が好きな人
代理店営業では、直接営業しない代わりに、代理店が提案しやすい様々なサポートを行います。
- 提案資料づくり
- 勉強会の実施
- 企画の立案
直接営業するときでも資料作成は行いますが、
代理店によってリテラシーは異なります。
その分、各代理店が説明しやすい資料を作る必要があるので、
知識のない人でも説明しやすい資料作成スキルが求められます。
代理店営業では、より裏方的な、サポート業務を行うことがそもそも好きという人も向いているでしょう。
個人よりチームワークが好き
代理店営業は、「自社商品を代わりに販売する会社や人のサポート営業」が主な仕事内容です。
営業というと、個人で完結する仕事をイメージしがちですが、代理店営業はよりチームワーク色が強い職種になります。
代理店と一緒に売れる方法を考えたり、
社内の人と連携して無理なスケジュールを調整したり、
間に立って仕事を進めることも多いです。
代理店、社内、それぞれの立場の人の視点に立って、
チームで大きな成果を出すことに喜びを感じる人の方が向いているでしょう。
代理店営業の年収とキャリアパス
ここでは代理店営業の年収とキャリアパスを紹介します!
年収はどの程度なのか、就いたとしてその後のキャリアパスはどういったものがあるのか。
代理店営業に興味はあるけどどの程度稼げるのか知りたい、
就いたはいいけどこの先のキャリアイメージがわかないという人は参考にしてみてください。
代理店営業の平均年収
マイナビが紹介しているデータによると、代理店営業の平均年収は423万円です。
国税庁が発表した2022年度の「民間給与実態統計調査」では、
国内の平均年収は458万円でした。
そのため、平均を比べると代理店営業年収はやや低い傾向にあるようです。
もう少し詳細を補足すると、20〜30代、男女で以下のような違いがあります。
年齢 | 平均年収 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
---|---|---|---|
20代 | 393万円 | 404万円 | 375万円 |
30代 | 542万円 | 565万円 | 477万円 |
40代〜 | 605万円 | ※629万円 | ※526万円 |
※正確にわかるデータはなかったため、平均年収の割り振りから算出した想定値
とは言え、会社によっても給与形態は異なりますし、40代以降は高い年収が見込めそうですね。
平均はあくまで平均と捉えて、求人情報を得るための参考程度にしてください!
代理店営業経験を経た上でのキャリアステップ
ここまでで代理店営業の業務内容から得られるスキルについて解説してきましたが、
それらの経験を経て、どのようなキャリアステップがあるのでしょうか?
いくつかケースを紹介すると
パターン1:同じ社内で管理職へ
王道は代理店営業で成果をだし、社内でステップアップするパターンになるでしょう。
代理店営業自体がマネジメントスキルが求められるため、
営業で成果を出していれば管理職の仕事にも直結しやすくなるはずです。
dodaの調査によると管理職の平均年収は527万円なので、
純粋にその社内で縦にキャリアを積み上げるイメージです。
管理職でも成果を出せれば、役員とより経営に深く関わっていくポジションに就くことも可能です。
パターン2:同じ業界内で営業職へ
代理店営業から、自分自身が直接営業するポジションへ転職するケースもあります。
代理店の営業サポートができていれば、その業界や商材の知識が積み上がっているためです。
自ら営業し成果を上げられれば、インセンティブにより収入アップも見込めます。
- もっと直接営業したい
- 自分で成果をだしてもっと稼ぎたい
こういう人は、自分自身が営業する仕事に転職するといいでしょう。
ちなみに僕も、代理店営業からフルコミッション営業にキャリアチェンジしたパターンですね^^
パターン3:営業サポートの経験を活かして企画職へ
代理店営業を通じて多くの営業サポート経験を積めれば、
商品自体を企画するポジションへのキャリアチェンジも一つの選択肢です。
業界や商材の知見、どう売っていくかに向き合った経験は、そのまま商品開発に活かせます。
現場を経験している人と、そうでない人では顧客理解の「解像度」が異なるからです。
営業経験を積み、営業とは違った仕事の経験を積みたい人は、選択肢に入れるといいでしょう。
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転職したい人は、一度エージェントに相談するのがおすすめです。
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